光触媒は日本で生まれた技術で、光を吸収して触媒作用を示す(化学反応を促進する)物質の総称です。光のエネルギーを利用して、通常の条件では困難な化学反応を行わせることができます。光触媒は、酸化還元反応を促進することから、有機物や細菌を分解することが可能な為、昨今のウイルスや菌などによる感染症の広がりの中、その感染防対策としての利用も進められています。「汚染のリスクが高い箇所を衛生的な状態に保つ」これは感染予防の重要な手段のひとつです。
和興の光触媒”Wケアコート”は、従来型では難しかった蛍光灯などの室内環境下で光触媒活性を示すだけでなく、反応を助ける為の助触媒の効果により、暗所でも・抗ウイルス・抗菌活性を示す事が特徴です。また酸化チタン粒子を細かくする事で、密着性と活性を高めています。
そしてエビデンスに基づいた製品開発を進める上で、公的研究機関や大学と連携し、実際の感染菌を用いた研究を進めています。
Wケアコートに用いられている酸化チタン粒子は、一般的な酸化チタン粒子に比べ微細なため、光触媒活性と密着性に優れます。
ここではWケアコートの技術データの一部をご紹介します。
Wケアコートの抗ウィルス性能
Wケアコートのコーティング面におけるウイルスの活性度の変化を時間経過と共に確認しました。
Wケアコート塗布面におけるウイルス不活性化の変化(グラフ)
・Wケアコート塗布サンプル面において、時間経過と共に新型コロナウイルスが分解され、4時間後には99.9%の
ウイルス感染価の低下が確認されました。
・光照射がない条件(夜間の室内に相当)においても、ウイルス感染価を低下させる事が確認されました。
・本結果は、先に実施されたウシコロナウイルスに対する抗ウイルス試験結果と同等のウイルス不活化効果であった事から、新型コロナウイルスの変異株に対しても抗ウイルス効果があると考えられます。
※ウシコロナウイルスの評価結果はウイルス学の国際ジャーナルに掲載されました。
(Viruses 2020, 12, 1372; Application of a Photocatalyst as an Inactivator of Bovine Coronavirus)
注1:ウイルス不活化:ウイルスの感染性を失わせること
注2:ウイルス不活化率:ウイルス感染価の減少率
注3:ウイルス感染価:ウイルスの細胞に感染する能力(数値が高いほど感染能力があるウイルスが多い)
注4:本試験結果はウイルスをの感染予防を保証するものではありません
Wケアコートのコーティング面における菌(大腸菌)の形態変化を観察しました。
光触媒により菌の外膜が分解され、形状を保つことができなくなっています。(写真右)
バスやトラックを始めとする車輛だけでなく、様々な生活環境下でWケアコートは採用されています。
Wケアコートが採用させている主な業種
・路線バス、観光バス、路線バス等
・トラックなどの大型車両
・病院・介護施設等の医療施設
・保育施設
・避難所
・飲食店
・オフィス
・一般住宅
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