光触媒は日本で生まれた技術で、光を吸収して触媒作用を示す(化学反応を促進する)物質の総称です。光のエネルギーを利用して、通常の条件では困難な化学反応を行わせることができます。光触媒は、酸化還元反応を促進することから、有機物や細菌を分解することが可能な為、昨今のウイルスや菌などによる感染症の広がりの中、その感染予防策としての利用も進められています。「汚染のリスクが高い箇所を衛生的な状態に保つ」これは感染予防の重要な手段のひとつです。
和興の光触媒“Wケアコート”は、従来型では難しかった蛍光灯などの室内環境下で光触媒活性を示すだけでなく、反応を助ける為の成分(助触媒)の効果により、暗い場所でも抗ウイルス・抗菌活性を示す事が特徴です。また粒子を細かくする事で、密着性と活性を高めています。
そしてエビデンスに基づいた製品開発を進める上で、公的研究機関や大学と連携し、感染性を持つウイルスや菌を用いた研究を進めています。
Wケアコートに用いられている酸化チタン粒子は、一般的な酸化チタン粒子に比べ微細なため、光触媒活性と密着性に優れます。
ここではWケアコートの技術データの一部をご紹介します。
Wケアコート | 一般的な酸化チタン | |
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粒子サイズ | 10nm以下 | 50nm程度 |
電顕画像 | ![]() |
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形状 | 角柱状(尖っている) | 球状(丸い) |
照度 | 家庭用蛍光灯(可視光)500Lux※ (紫外線カット条件) ※500Lux:室内の明るさと同程度 |
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供試ウイルスタイプ | 新型コロナウイルス JPY/TK/WK-521 (国立感染症研究所からの分与株) |
試験液ウイルス濃度 | 2.5×107PFU/ml |
評価サンプル | Wケアコート塗布フィルム |
試験方法 | JIS R 1756 参照 (光触媒加工品の抗ウイルス試験) ISO 21702 参照 (プラスチック加工品の抗菌試験) |
試験期間 | (一財)日本繊維製品品質技術センター |
Wケアコートのコーティング面における菌(大腸菌)の形態変化を観察しました。
光触媒により菌の外膜が分解され、形状を保つことができなくなっています。(写真右写真下)
バスやトラックを始めとする車両だけでなく、様々な生活環境下でWケアコートは採用されています。